「枳(からたち)」……SSブログサイト。(銀魂中心。他雑多。只今ヘタリアとかBASARAとかも。)

Let's cookig? 


「…なぁ八神、腹減った。」

 致情後の気だるい空気、倦怠感の中で、その余韻に浸る間もなく呟かれたその言葉に、八神庵は柄にも無く京の上に突っ伏した―――いや、ずっこけた、という方が正しい。

「だぁ!八神、重いってテメェ!」

耳元で喚く声にうんざりしつつも、

「…第一声がそれか。情緒もへったくれもない。」
「だってマジで腹減ったんだよ。」
「睡眠欲・性欲を満たしたら次は食欲か。つくづく本能のみで生きている奴だな、貴様は。」
「テメェに言われたくねーなぁ。」
ケロリとした顔で言う京。
「俺は欲望にただ忠実なだけだ。だが貴様と違い我慢も知っているがな。」
こちらも平然とした口調と声で言い、サイドのテーブルにあった煙草を取り銜える。ジッポでそれに火をつけ、悠然とそれを燻らせる。カチリ、とジッポの蓋が閉まる音が周囲に響いた。

その一連の動作は、まるで映画の中のワンシーンの如く優雅で。

…そういえばコイツ、オレと住むようになってから自分の焔を使わなくなったな。その動作を目で追いながら、ふと京は思った。いや、今はそれは関係ないが。

…何かむかつくぞ。
 八神の動きが格闘家とは思えぬほど優雅で、それに見惚れていた己にも苛立ったが。 京は、庵がSEXの後にいつも煙草を吸う事が嫌いだった。
まるで食事の後の一服みたいじゃねーか!オレは食べ物かい!
一度そうやって京ががなりたてると、庵は鼻で笑い、京の耳元にこう囁いたのだった。
「…美味かったぜ。」

その言葉に、血管ぶち切れた京は庵の顔面にパンチを食らわせたのであった。鼻血を吹く八神庵が見られたのは良かったが。その後の報復の事は、思い出したくもない事だ。そして、それ以降も煙草を燻らすその行動は止む事はなく、今に到る。

 イライライライラ。
京は庵の手から煙草を奪うと、ずいっと顔を近づけて。
「八神、飯作れ。」
「自分で作れ。」
間髪いれず庵が言った。新しい煙草を既に手に持ちながら。
「テメ…オレにマトモな飯が作れると思うのか!?」
「威張って言う事では無いな。これを機会に練習しろ。」
「なぁ…八神ぃ…。」
「甘えた声を出すな、気持ちが悪い。」

 ピキピキピキピキ。
京の顔が引き攣った。…だが。

「ふーん…オレが作ってもいーんだな?マジでいーんだな?」
「くどい。」
「あ~わかったっての、ケチヤロウ。しゃーねー、いっちょこの京様が腕を振るうか。 …なぁ、八神…後で泣きながら止めてくださいっつーてきても、ぜってー止めねーからな。」

その時、京が浮かべた笑みは、八神庵の不安と後悔を煽るのに充分なほど。
邪悪なものであった。

その後。

キッチンからの盛大な煙に気付いた庵が、溜息を付きながら京の為の料理を作った事は。言うまでも無いだろう。
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