「枳(からたち)」……SSブログサイト。(銀魂中心。他雑多。只今ヘタリアとかBASARAとかも。)

10 土方BD話 


 5月5日。昼下がり。沖田総悟は馴染みの団子屋でサボr……否、休憩していた。何やら本を取り出して読んでいる。酷く気難しそうな顔付きである。
 ふと、読んでいた本に影が差した。顔を上げると、銀髪の男が沖田の手元を覗き込んでいる。
「総一郎君何読んでんの?」
「総悟です。…暇人な旦那、こんばんわ。」
「一言多いよ君。其れに銀さん暇な訳じゃないよ、団子を食べるという重大な使命があるんだから。団子の為なら宇宙の果てまで行っちゃうよ俺は。」
「煙草の為に宇宙飛び回った何処ぞのマヨラーみてェな事云わないで下せェ。」
「は?アイツそんな事したの?ばっかだねェ!!!」
「鏡持ってきやしょうか?同じ莫迦が此処にも居やすぜ?」
「ばっかオメー、俺のが最強の莫迦に決まってんじゃねーか。どんな事だろうとアイツに俺が負ける訳がねェ。」

 等々、普段の如くの軽口の叩きあい。最近此の二人はやけに仲が良い。ドS同士だからか如何なのか。馴染みの甘味処も同じなのか、時たまこうして出会う事がある。
 銀時はどっこいせ、とオッさん臭く声を出しながら沖田の隣に座った。そして団子屋の主に声をかける。
「オッさんー団子~~~。」
「銀さんそろそろ金払えや!!」
「この幕僚に付けといて。」
「請求書は『真選組 土方十四郎』でお願いしまさァ。」
互いに右から左へと受け流し合う二人のやり取りが続く。

「で、何読んでるの?……『外法・死神との契約方法』……総一郎君、お前ついにキラになる決意が」
「だから総悟だっつの。キラなんぞ元より興味は無いですぜ。俺ァ今のままでも充分世界を取る自信は有りまさァ。」
「魔王様よ、世界取ったら半分くれよな。」
「4分の1位なら、勇者きんときさん。」
話が全く進まない二人である。団子を頬張りながら沖田は云う。
「まぁ此れは、土方のあん畜生を闇に葬る手段について勉強中なんでさァ。」
「へー。もう斬っちゃえばいいじゃん。」
「あんな野郎の為に己の手は汚したくないんでさァ。」
「手ェ洗えばいいじゃん。」
「あぁ、そっか。」

 其処で何故か納得する沖田。矢張り進まない。のんびり語り合いながら、店主が持ってきた団子を食べ始める銀時。もごもご食べながら尚話しかける。
「おめーも勉強熱心だねェ。」
「いや其れ程でも。でも間に合わないかなァ…。」
少しばかり残念そうな沖田の様子に銀時は首を傾げた。
「何に?」
「いえ。……今日土方さんの誕生日なんでさァ。」
知ってやした?と、銀時の方に視線を向ける沖田。
「あ、そなの?まーったく。」
一見興味なさそうな素振りの銀時。
「けど、アイツの生誕を祝うなんざ虫唾が走るんで。どうせなら生まれた日=死滅した日、にしちゃえーと。」
「あはははは、相変わらずサディスティックな愛情向けてんなァ。」
「サディスティックな殺意でさァ。」

 其処で会話が止まる。銀時は何かを思考している様であった。
「そっか…誕生日なのかひじかたくん。」
ふむ、と顎元に手を当てて考える。
「旦那?」
と、沖田が声をかけても答えは無い。
 暫く其のままであったが、やおら銀時は沖田へと向き直る。
「…沖田君。」
「はい?」
「此れ、銀さんからアイツへのBDプレゼント。」
そう云いながら、沖田の方へと顔を寄せて。

チュ、と口付けた。唇に。

 流石に固まる沖田。銀時は何事も無かったかの様に身を離して立ち上がる。
「ちゃんと渡しておけよ?…お前から。」
ウクク、と酷く楽しそうな、イヤラシそうな笑みを浮かべている。沖田は硬直から立ち直ると、唇を指先で触れて銀時を見遣る。
「……嫌がらせ兼……ですかィ。」
土方から銀時への感情、沖田から土方への感情。そして──沖田から銀時への感情。其の全てを理解していて尚、仕掛けてきたというならば、此の銀髪の男は相当な性悪である。やられた、とばかりに苦い顔をする沖田。

「お礼は直接云いに来なさい。…って云っておいてねん。」
そう云い、微かに笑いながら己の唇を指先で突付く銀色の男。手をひらひらと振って去っていった。

 ──相変わらず風の様な男だ。掴み所の無い男だ。時には嵐の様に周囲を巻き込んで、去っていく男。だが今は、柔らかい春風に頬を撫でられた様なそんな気持ちである。気紛れな風。だが、酷く心地良い。

「旦那も素直じゃねェなァ…。逢いたいならそう、云えばいいのに。」
 二人の関係に複雑な気持ちが無いといえば嘘になる。が、己も結局銀時の事は嫌いではないのだ。二人の世界の中にも、己の存在は確りと在る。思い切り力任せに刻み付けていっている。ならば其れでいい、と今は思っている。

「どーせ…旦那も土方さんも、俺のモンにするつもりだし。
…いつか、ね。」
不穏な事を呟きつつも、顔には、ドSには似つかわしくない優しげな笑みが浮かんでいた。
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