「枳(からたち)」……SSブログサイト。(銀魂中心。他雑多。只今ヘタリアとかBASARAとかも。)

05 だからー俺の所為なんでしょ? 


 朝もはよから超巨大イニシアルGと奮闘した真選組のアホTOP3。ちょっとやそっとの事では揺るがぬ精神力を持っている筈の男達は、其の朝だけは朝飯を食う気力も起きずにぐったりしていた。何しろ、謎の液体を至近距離からちょびっと浴びちゃったりしたのだ。そりゃ食う気も失せる。
 だが、鋼鉄の面の皮と有刺鉄線で覆われた精神を持つ男、沖田総悟だけは何事もなかったかの様に気にせず朝からどんぶり飯三杯目を平らげ中だ。斬ったのも此の男であるというのに、返り血ならぬ返り体液を一滴も浴びる事無く、飄々と其の場を去っていったのだ。近藤は無邪気にも沖田に礼を云っていたが、土方は後に残された惨状を見て、果たして沖田が助けに来たのか、ただ嫌がらせをしにきたのか甚だ疑問が残ったものである。

「…俺ァ、一度お前みてェになってみてーよ。」
げんなり口元を押さえつつ沖田にそう話しかけた土方。其の土方に対し、どんぶり飯を腹の中にかき込む手を止めないままに沖田が声を発した。
「…何でェ土方さん、遂に俺に惚れたかィ。」
「何でそうなんの。」
「カッコイイ俺に惚れたんだろィ。」
「お前頭平気か?腐ってねェか?」
「肉は腐りかけが一番旨いんでィ。」
「お前の其の訳の判らんポジティブシンキングだけは尊敬するよ。」
「俺ァアンタのネガティブマインドは大嫌いでさァ。」
「ああ云えばこう云うし!」
「今更でさァ。……フェーックショイ!」
「ギャァ!!飯粒撒き散らすなァァァ!!」

 二人の側には何時もの如く仲良し?な二人をほのぼの見詰める近藤。そんな三人の前にタッタカ音を立てて山崎が近付いた。
「お食事中申し訳ありません。副長、先程の件なのですが。」
「あァ。で、如何だった。」
「アレは如何やら宇宙ゴキブリ、の一種らしいです。現在歌舞伎町界隈は大騒ぎですね。もしかすると真選組にも出動命令が下されるかもしれません。あの生物の生態其の他について、簡単に報告書に纏めておいたので目を通しておいて下さい。」
「御苦労。」
間抜け面の癖に何故だか有能な部下は再びタッタカ其の場を去った。土方は飯を食う事を既に諦め、其の書類に目を通す。読み進めていく内に眉根の皺が深まった。
 曰く、強い生命力。女王ゴキブリを退治せぬ限り永久に増え続ける。女王ゴキブリは只今歌舞伎町界隈に生息している可能性大。
 曰く、肉食。危険。
 曰く、だが殺してはいけない、危機を感じると奇声を上げ仲間を呼ぶ。
「勘弁してくれよ…。」
書類を放ると、額を押さえて溜息を付く土方。近藤は土方の其の様を見て、ん?と首を傾げた。
「如何したトシ。」
「あァ、今朝のゴキブリについてな。」
土方はそう云うと、僅かに声を潜めて近藤に話し掛ける。
「俺ァてっきり、真選組に対する仕掛け、かと思ったんだが如何やら違ったらしくてな。」
「成る程。」
「もしかすっと大事にな…」
そう云いかけた最中、隊士共の悲鳴が上がった。其の声に驚き振り向く近藤と土方。気にせず飯を食い続けている沖田。

二人が振り向いた其処には。
例の超巨大ゴキブリが、何十匹もワラワラと進入していた。

「「ギャァァア!!??」」
思わず仲良く悲鳴を上げるTOP2。尚も気にせず炊飯器から飯を足す沖田。
「トトトトットシーー何此れ!何!?」
「近藤さん落ち着け!何でンな此処に…!……まさか!」
先程沖田が退治した一匹の上げた奇声が呼び水となったに違いない。矢張り沖田は疫病神だ、と内心舌打ちしながら土方は立ち上がる。序(つい)でに沖田の頭を張ったおす。
「…痛いなァ、何するんでィ。」
「何時まで飯食ってんだ!オラ、追っ払うぞ。但し斬るなよ!テメェらも危害は成るべく加えるな!危害加えたら仲間呼びやがるぞ!!」
沖田に云い放ってから、声を張り上げて周囲にも命令を下す。だが其の命令に隊士達は絶叫した。
「危害加えるなってアンタ無理っ無理ィィギャアアアァァ!!」
「俺達が危害加えられてるよふくちょー!!」
叫ぶ隊士に、無理な命令を叫び返す土方。双方既に錯乱気味。
「無理でもやるんだよ成せば成るんだよコノヤロー!此れ以上数増やしたいかバカヤロー!近藤さん俺達も…ッ…って。…あァ?」
土方が振り向いた其処にはぶっ倒れた近藤が居た。
「…何があったの?」
思わず呆然とする土方。あっちでもこっちでももう大騒ぎだ。

「大変だァァ!局長が気絶したぞォーー!」
「またか此の人!最悪だァァ!!」
近藤を囲んで隊士共が騒ぎ始めた。状況を察するに、如何やら近藤は此の状況に耐え切れず泡を噴いて倒れたらしい。何ともつくづく情けない話であるが、近藤らしいといえば近藤らしい。土方は隊士の一人に近藤の世話を任せて、此の混乱を止め様と指揮を取ろうとした。が、其の矢先に聞こえてきた不穏な声。
「死ねェェ土方ァァ!!!」
「今死ねっつーたの誰だアァァ!!??」
 思わず瞳孔おっ拡げた鬼副長面で叫ぶ土方の目前で、沖田が刀を振るっていた。
「お前何其の掛け声!」
「こう云いながら斬ると気合が入るんでさァ。だから死ねェェ!!」
「だからって俺を斬ろうとするなァァ!!」

 斬り掛かってくる沖田を土方は何とか制する。沖田は舌打ち後、また再び獲物を求めてバッサリ斬った。其の様を見て土方は我に返り慌てて声を掛ける。
「おま…総悟ッ止めろ止めろ!斬るな!斬ったら其れだけまた数が増えるぞ!」
「俺の所為なんだろィ、なら俺が何とかしてやりまさァ。てぃッ!」
「だから止めろっての!」
だが土方の其の言葉にも全く耳を貸さず、次から次へと斬り捨てていく沖田。謎の奇声が次々へと周囲に木霊する。此の声が仲間を呼び集めているものであると考えると、土方は背筋が寒くなる心地に駆られた。半ば悲鳴混じりの声で叫ぶ。
「総悟!!」
「俺ァ黒くてうっとおしくてチョコマカ小煩い生物が大嫌いなんでさァッ。」
そう叫びながらまた一匹バッサリ。
「お前其処迄ゴキブリが嫌いか。」
「何云ってんだィ!アンタの事に決まってんだろィ!!腹立つなァもう!!」
「何っ何お前逆切れ!?」
またまた一匹バッサリ。
「アンタに似てるモンは全部ムカつくんでさァ!!」
「逆切れの上八つ当たり!?」
も一つおまけにバッサリ、と一太刀した所で漸く(ようやく)土方の方へと振り向く沖田。
「返す刀でバッサリ!」
「だからどさまぎで俺を斬ろうとするなァァーー!!!」

 沖田が一人作り出す阿鼻叫喚地獄絵図は、暫くの間止む事は無かった。丁度同時刻、万事屋の白いワンコが地球を救った事など、一同は未だ知る余地も無い。
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